リバイバルジャパン取材日誌
御霊に導かれること
思春期の頃、早く父親から自立したかった。20歳の頃、母親の干渉から逃れたかった。学生時代、教室の窓から外を眺めながら、早く卒業し、自分の手で働きたいと願った。
就職し、結婚し、壊れかけのボロ家で新婚生活をスタートしたとき、「自由」を感じた。近くのダイエーで鍋などの日用品を準備しているとき、この上ない喜びを感じた。
しかし、その自由な感覚や喜びは次第になくなっていった。会社や教会、家庭において新たな縛りを感じ始めた。
「自由」ということで、聖書は多くを語っている。最近、ガラテヤ人への手紙を精読している。ここには「律法」と「信仰」、「奴隷の子」と「自由の子」の対比が書かれている。律法は、私たちをキリストのもとに導く「養育係」であり、キリスト者はすでに律法からは自由にされている、と。
教会では時に、「律法的なクリスチャン」などの言葉が交わされるが、自由の子とされながら新約的律法主義に陥ってしまうこともあるようだ。教会のルール、キリスト教会の暗黙のクリスチャン像に無理に合わせようとする世界。人間社会に「ルール」は必要なものだが、それに意識を向け過ぎると自由が奪われていく。
では、どのような生き方が私たちに用意されているのか。
「御霊によって歩みなさい。」(ガラテヤ5・16)
クリスチャンの行動原理はこの一言に集約される。肉の願うことは御霊に逆らい、御霊は肉に逆らう。御霊によって、律法やルールを超えた世界を生きることができる。まるで空を飛ぶがごとく。そして結果的に、律法の要求も満足させる。信仰による完全な義が与えられていると同時に、実際的にも律法学者やパリサイ人の義(マタイ5・20)以上のものが実現する。
キリストの血潮によってすすがれた良心によって、御霊の導きを日々、一瞬一瞬感じていたい。そしてそれを選び取って生きていきたい。御霊は長期ビジョンを示し、今日の仕事も示してくださる。罪を犯そうとするときには、警告をしてくださる。
クリスチャンになって何度か、御霊の導きや警告を無視したことがある。その結果は、罪の刈り取りだった。
御霊によって歩むということを、本当の意味で自分のものとしたい。律法から自由になった私たちは、神の子、キリストの奴隷となった。この世界に、「個」としての完全な自由など存在しない。この世のルールからも神からも自由になったとき、我々は暗黒の井戸の中に落ち込んでしまう。
御霊によって生きるキリスト者、これは社会に大きなインパクトを与えるはずだ。ルールを守りつつも、ルールを超えたところで生きる人々。どんなに束縛された状況にあっても、晴れやかな自由をいつも実感している人々。ガラテヤ書6章14節を新共同訳聖書は次のように訳す。「この十字架によって、世はわたしに対し、わたしは世に対してはりつけにされているのです。」
世に対してはりつけにされた私、そのイメージを心に刻みたい。
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