舟の右側
地引網出版
キリスト教雑誌 舟の右側

ワイチローの取材日誌

リバイバルジャパン取材日誌

赦すこと

更新日:2010年4月20日

ある方から会社にメールが入った。何でも、日々のディボーションをしていると、私の妻の笑顔が浮かんできてそれが1週間も続いているとか。そして、リバイバル・ジャパンに自分の証を送るようにと神さまから示されたそうだ。妻に訊くと、数年前にアグローの集会でお会いした方だという。

神さまから示されて証を送りました、というケースはこれまでにも何度かあった。しかし大概、こちらは示されなくて、そのまま未掲載というかたちが多かった。神の示しなのか自分の思いなのか、そのあたりの判別は難しい。ただ今回は、妻の笑顔がディボーションに出てくるという、私でも経験したことがないお話に興味が湧き、会社まで来ていただいた。

聞けば、その方は39歳の未婚の女性で、19歳の時に交通事故で顔面に大怪我を負い、30回も手術を繰り返したという。当時はクリスチャンではなく、衝突してきた相手の車の男性と、ご自身が乗っていた車を運転していた父親を恨み続けてきた。相手が謝ってきても、「謝らなくていいから、私の顔を返して!」と何度も泣き叫んだ。

また、とても不思議な導きによってクリスチャンになっても、相手の男性と父親を赦せず、また神さまにも「どうして私が…」という思いを抱いて、苦しみ続けてきた。洗礼を受けても、強烈な体験を伴う聖霊のバプテスマを受けても、赦し切ることはできなかった。

しかしある日曜日の礼拝中、神を見上げて賛美を捧げているときに、心から相手を赦すことができた。「あれだけ断食をしたり、『赦します!』と宣言し続けても赦せなかったのが、本当に一瞬でした。聖霊のお取り扱い、としか言えません」

彼女は昨年3月に神学校を卒業し、人前でも大胆に証しをするようになっている。そして今後は、100万人はいると言われる、顔に傷や痣のある方々への伝道を志している。自然体の明るさを持った方だ。 「彼らは神さまとかを求めている人が多いんです。私はこの顔だから彼らの気持ちが分かりますし、彼らに伝道もできます。100万人が救われたら、日本のクリスチャン人口が2倍になりますよね!」

お話を伺い、先日の、事故で息子さんを亡くされたご両親の証と重なり、「赦すこと」についての特集を組むことにした。

事故後すぐに赦す心が与えられた方、10数年を経てやっと赦せるようになった方。どちらかが人間的にすぐれているとか、信仰的にすぐれている、ということではない。取材した実感としてそう思う。そこには、私たちが窺い知ることのできない、神の深い知恵と「意図」がある。そしてその意図は、周囲の方々の成長なども十分に考慮された、恵みに満ちた意図なのだ。

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