舟の右側
地引網出版
キリスト教雑誌 舟の右側

ワイチローの取材日誌

リバイバルジャパン取材日誌

未信者に影響を与える人

更新日:2010年10月30日

どのようにすれば未信者の人々に影響を与えることができ、キリストの元に導けるかということで、よく「有名人」が用いられる。野球選手の誰々がクリスチャンだ、国会議員の誰々がクリスチャンだ、歌手や俳優の誰々がクリスチャンだ、と。

ビジネスマンの集まりでも、講師として選ばれるのは、有名大学を出て能力を発揮している人、功成り名を遂げた人が多い。キリストを信じればビジネスも祝福される、だからあなたも信じてごらん、ということだろう。家族が変えられた素晴らしい証しを持っていても、普通のサラリーマンは呼ばれない。社会的立場が「普通」だから。

学歴やスキルを高め、しかるのちキリスト者であることを証すれば、社会に多大な影響を与え、人々をキリストへと導くことができる。そういった、人々の「あこがれ」を利用した伝道方法は、ある一定の成果を収めることもできるのだが、イエスの方法とはかなり違っている。

実際、キリストと出会って周囲に多大な影響を与えたのは、その対極にある人々だった。12弟子がそうであったし、サマリヤの女、ザアカイなど、社会からつまはじきにされていたような人が大きく用いられた。彼らは、周囲から「あこがれ」のかけらさえ抱かれてはおらず、「用いられている」という自覚さえなかった。

また社会的立場の高かったパウロは、キリストを知る知識の絶大な価値の故に、それらのものを「ちりあくた」と呼んだ。学歴や社会的立場も、こういった価値観に立って利用するのならいいのだろうが、どうもそうではないケースが多い。たとえ本人はそうでなくても、周囲のクリスチャンが、そういったことに価値を置き、彼らを用いていく。

イエスは、レプタ銅貨2枚を捧げたやもめを高く評価された。しかしキリスト教会では、「高額献金者」というだけで下にも置かない扱いになる。死後、彼の記念会さえ開かれる。彼よりも貧しい生活をして力以上の献金をした一信徒の記念会は、開かれない。額が「普通」だから。

価値観を転換するというのは難しいことだ。しかし、世の価値観を利用した伝道をしているうちに、いつのまにかクリスチャン側の価値観まで浸食されていく。「マーケティング」をしているうちに、人々を動かすことが目的化し、イエスの方法を忘れてしまう。

人々の「あこがれ」を利用した伝道というのは、あの人のようになりたい、という自己への不満足感を肥やしにした伝道方法である。そして、地位や力を持つ人間にならなければ神に用いられることはない、という言外のメッセージも発していく。

また「あこがれ」は、人を偶像化することにもつながる。「あの人に祈っていただきたい」「あの人と一緒に写真に写りたい」と。いわゆるミーハー。信徒をミーハー化すれば、いかようにも操作できる。

社会的地位の高低によらず、学歴の高低によらず、身長の高低にもよらず、神は自由に私たちを用いられる。高い人も、低い人も。リバイバル・ジャパンとしても、その立場に立った報道をしていきたいと願っている。

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