リバイバルジャパン取材日誌
クリスチャン・メディアと美しい物語
あるクリスチャン・メディアの方に、「どのようなことに気をつけて取材をしていますか?」と聞かれたので、「出来合いの美しい物語にしないことでしょうか。それは、とても難しいことで、人を傷つけてしまうこともあります。でも聖書には人間の美しい面と醜い面の両方が書かれていますし、今私たちが取材する事柄一つを取っても、様々な側面があります。まだまだ不十分ですが、それを目指そうと努力しています。」と答えた。
取材対象に近づけば近づくほど、すばらしい面と同時に負の面が見えてくる。時に、自分の罪に絶望的になるのと同じように、人の身勝手さ、自己中心性にうんざりすることもある。しかしそれを記事に反映し、美しくて信仰的な物語にミソを付けると、ほぼ確実に「そんなふうに書かれるんなら記事にして欲しくなかった」と言われる。書評やCD評でも同じ。
私もそれが分かっているので、つい「出来合いの美しい物語」を書いてしまうことがある。そして自己嫌悪になる。それでも何とか、そこから脱して、複雑な込み入った物語を書こうと試みる。そして何度か成功する。
また、「善人」「悪人」を決めつけて記事にするのはたやすい。例えば、訴えた信徒は「善」、訴えられた牧師は「悪」という構図。しかし取材を進めていくと、その善と悪が複雑に絡み合い、「漫画じゃあるまいし、そう簡単に白黒つけられないよな」と感じる。その複雑さを前にして、自分の時間と能力を鑑み、取材を中止することもある。
白と黒の間に多くの色があると言ったのは、ミスチルの桜井氏だったか。「イエスとノーの間には何もないのだろうか?」と言ったのは二階堂のCMだった。クリスチャンは、「はい」は「はい」、いいえ」は「いいえ」と言うべき存在だが、その「はい」と「いいえ」の間にあるものを見つめずに白黒をはっきりさせてしまうと、何か大切なものを見失っていくような気がしている。
最新の取材日誌
舟の右側は、こんな雑誌
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