リバイバルジャパン取材日誌
そこに教会があったからこそ
今日は北上聖書バプテスト教会の佐々木真輝牧師を訪問。取材と言うより、単に話がしたかっただけ、ではあるが、快く迎えてくださった。昨年、震災直後に被災地入りした翌日も、佐々木牧師を訪れ、取り留めのない話をさせていただいた。その時には村上春樹の話題で盛り上がり、心が日常に戻される経験をした。ハルキの小説の主人公が「異界」に入り、そこから「日常」に戻って体勢を立て直して再度「異界」に入って行く、そんな感じだった。
今回は、この1年間のことを伺いながら、今、被災地に住んで支援活動や伝道をしていこうという人が増えつつあるという話題になった。昨日訪れた宮古でも、ほぼ住み込みで働き続けているボランティアの青年たちがいた。また、米国の宣教師やリタイヤした夫婦などが、被災地で住む場所を捜しているという。
ただ問題なのは、借りる家が無いということ。当然、住める家は仮設に入っている地元の方がまず借りたい訳で、住めるような家がなかなか見つからないのだ。しかし、志のあるところに道は開けるはずだから、本誌としても彼らを応援していきたいと思った。
同時に、佐々木牧師と話していて本当にそうだと思ったのは、震災前の三陸には誰も来ようとしなかったということ。大船渡の教会も、無牧の状態が続いていた。震災が起こって、新たに伝道の拠点がつくられるのは喜ばしいことだが、落ち着いた後、一つのブームが去った後はどうなのか、が問われる。日本には、震災が起きていない多くの「三陸」があり、牧師・信徒たちが地域のしがらみと格闘しながら伝道を続けている。そこには誰が行くのか。寂れていくばかりの農村、漁村、原発を抱えた自治体、誰も行きたがらない場所、教会形成をしづらい場所。
宮古の岩塚牧師が牧会する宮古コミュニティー・チャーチは、震災の2週間前に教会を閉鎖する決議をしたという。具体的には、会堂のローンが払えなくなったということだ。そこに震災が起こった。今は、同教会を特別に支援をしたいという方も現れ、アルバイトも辞めて伝道牧会に専念しておられる。(写真は岩塚和男・琢子牧師夫妻)
こういうギリギリのところで頑張ってこられた牧師、信徒たちがいたからこそ、この非常時にボランティア活動の拠点となり、救われた魂を受け入れる皮袋となっている。私たちはもっと、地方の牧師たちに注目し、その働きに敬意を払わなければならないのかもしれない。そこでなおも立ち続けている牧師たちに。
最新の取材日誌
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