リバイバルジャパン取材日誌
「いい問題」を見つける力
ノーベル化学賞を受賞した野依良治博士のインタビュー記事がYahoo!ニュースに掲載されていた。同氏が日本の教育に対して危機感を持っているという内容で、読んでいてとても興味深いやり取りがあった。(以下引用)
――次代を担う若者たちですが、学力についてはどうでしょう。
その話をするには、まずこちらから質問しましょう。科学者として成功するには、何が必要なのか分かりますか。
――観察眼やセンスでしょうか。
それらも必要でしょうが、違います。ものすごく単純なんです。自分でいい問題を見つけて、それに正しく答えるということです。この生き方を貫くのです。
(引用終わり)
「いい問題を見つけて、それに正しく答える」これは、あらゆる分野において必要なことなのだと思う。「舟の右側」の前身「リバイバル・ジャパン」において、「福音とは何か?」というリレー連載を行った。あらゆる教派の牧師や働き人に「福音とは何か?」と問いかけ、それに3000字で答えてもらおうという試みで、90人以上の方が応じてくださった。「福音とは何か?」は単純すぎて「いい問題」だとは言えなかったかもしれないが、この単純な問いでさえ、得るところは非常に大きかった。
キリスト教会には、先人たちの努力によって「ウェストミンスター小教理問答」「ハイデルベルク信仰問答」などの素晴らしい問答集があり、それらはあらゆる神学的疑問に答えを提供してくれている。しかしそれに安住し、「問い」を立てる作業を蔑ろにするなら、すぐれた神学者は生まれず、「答え」を見つけることのみに長けた人間を育てるだけになる。「聖書信仰」も下手をすれば、「問い」を立てること自体が「不信仰」と見なされ、薄っぺらな解答ばかりを見つける人を生み出す。
実際の宣教の現場は、答えのないことばかりである。そこではやはり、いい問いを立て、そこに解答を見出していく力が求められている。私も毎月の雑誌を生み出すにあたって、「いい問題」「いい問い」を考えていかなければならない。
最新の取材日誌
舟の右側は、こんな雑誌
牧会者が喜びを見出す雑誌へ
『ジャンルを大切にして聖書を読む』の読み方
新刊『私は、やります!』発売!
我に返る
舟の右側7月号 発売
- [2023]
- 12月
-
新・神を愛するための神学講座 水草 修治 著
定価:2600円+税 -
私は、やります! トム・S・レイナー 著 赤松 樹美子 訳
定価:1200円+税 -
私は教会のメンバーです トム・S・レイナー 著 赤松 樹美子 訳
定価:1000円+税 -
ジャンルを大切にして聖書を読む 渡辺 睦夫 著
定価:5000円+税 -
境界線(バウンダリーズ)増補改訂版 ヘンリー・クラウド、ジョン・タウンゼント 共著 中村佐知、中村昇 共訳
定価:2500円+税 -
あなたがずっと求めていた人生 ジョン・オートバーグ 著 中村佐知 訳
定価:2200円+税 -
さいこうのおとうさん クリス・トムリン、パット・バレット 作 ローナ・ハッセイ 絵 ホーバード・豊子 訳
定価:1500円+税 -
求道者伝道テキスト 鈴木崇巨 著
定価:750円+税 -
スモールグループから始めよう! ヘンリー・クラウド、ジョン・タウンゼント 共著 中村佐知、中村昇 共訳
定価:2000円+税 -
栄えに満ちた喜び D.M.ロイドジョンズ 著 尾山令仁 監修 武藤敬子 訳
定価:3000円+税